かもめのジョナサン(完成版)新潮社  リチャードバック 五木寛之 創訳

かもめのジョナサン(完成版)新潮社

 リチャードバック 五木寛之 創訳

 

 

自分のやりたいことを貫き、周りに反対され、ついには群れから追い出されてしまう主人公のジョナサン・リヴィングストン(かもめ)飛ぶことに対する情熱を抑えきれず限界に挑戦し続ける姿勢に学生の頃の部活動を思い出しました。誰にでもやりたいことはあると思います。小さなことから大きなことまで、睡眠欲から人生の目標まで。

 

本の話しに戻りますが、群れを追い出されたジョナサンは二羽のかもめに出逢い、彼らからたくさんのことを学びます。この本は4つのパートがあります。追い出されるまでがパート1、二羽のかもめとの出会い学んでいくのがパート2です。個人的にパート2が一番心に響きました。いくつか抜粋します。

 

「ジョナサン自身が限られた能力しかもたぬ肉体の中にとじこめられている哀れな存在と考えるののをやめることにあった]

 

「まだ書かれていない数字が限界をもたぬごとくに、限りなく完全なるものであり、時間と空間を超えて、いかなる場所にも直ちに到達しうるのだと知れ」

 

「生活の中で最も重要なことは、自分が一番やってみたいことを追求し、その完成の域に達することだ」

 

「まず、自分はすでにもうそこに到達しているのだ、ということを知ることから始めなくてはならない」

 

「ジョン、きみみたいに学ぶことをおそれないカモメに過去1万年のあいだ出会ったことがないぜ」

 

人生について考えさせられるような本でした。

自分の好奇心に従い育てていくのか、押し殺してしまうのか。

 

パート3では自分の学んだことを自分と同じような考えを持つカモメに伝えていきます。そうでなければ自分もここまで来れなかったこと伝えられます。

 

パート4ではジョナサンがいなくなり、彼は段々と神格化されていってしまいます。

語り継がれる存在になり誰も彼に追いつこうとしなくなります。

ラストはここでは話さないでおきます。

 

尊敬することは大切ですが、度が過ぎると学ばなくなり、盲目的になってしまい学ぶ姿勢がなくなると感じます。自分を持つことはどんな状況でもある程度は必要ではないでしょうか?

自らの価値観を貫き、周りに流されずに生きていけるか?

残酷な問いかもしれません。上手くいっている人もいると思いますし、そうでない人もいると思います。

 

今の自分は上手くいっているとは言えません。何かに押されたら倒れてしまうかもしれません。

それでも、決めたことなので曲げたくはないものです。

周りから色々と聞かれたりすることもあります。

「勇気」の問題ではなく「覚悟」の問題でした。

 

パート2が心に響いたのも境遇を重ねたからだと思います。

 

最後まで読んでいただきありがとうございました。